守・破・離の精神をもとに、地域変革の先頭を歩もう!

諸行は無常なり。 すべては変化する。
今という時が満足なものであっても、満足な未来が待っているわけではない。
未来を変えることができるのは今でしかない。
今という時を全力で生きよう!明るい未来を切り拓くために!

「日本の再建は我々青年の使命である」と戦後の危機的状況であった日本に青年会議所の灯が燈って60余年の月日が過ぎた。
その間、様々な時代背景や社会情勢の中においても創始の精神を忘れることなく、時代の変化に適応しながら未来を見据えた「明るい豊かな社会」の実現に向けた先輩諸氏の弛まぬ行動が、今日の「豊かな日本」の礎を築いたといえる。

しかし、東日本大震災や熊本地震など未曽有の災害を経験した我々は、日本人としての真の「豊かさ」とは何かを問いただされ、物質的な豊かさだけでなく、他者を思いやる心などの先人より受け継ぎし精神性を思い起こし、「こころの豊かさ」の重要性を思い知った。

そして、戦後の荒廃からの復興を成し遂げ経済的成長を遂げてきた日本がいよいよ人口減少時代という未知の領域へと突入する。特に地方においては、生き残りをかけた戦いだ。
「希望ある未来」を描くために、我々は地方創生をJAYCEEの躍動の場と定め、活動する。
この「希望ある未来」こそ「明るさ」である。
「明るい豊かな社会」の実現とは、過去より受け継ぎし「豊かさ」を持って、未来に「明るい」希望としてバトンを受け渡す、今を生きる我々に与えられた使命である。


さあ、使命を成し遂げるために、変えるべきは我々が住み暮らす地域、変わるべきは自分自身である。地域に誇りを、そしてJAYCEEとしての誇りを胸に、変革の先頭に立って行動しようではないか!

さて、鳥栖市に住み暮らす人々は現状に満足せずに変革を求めているのかといえば、そうではないのではないかと感じる。

特に、地方創生の旗印のもとに各自治体で取り組まれている課題は、人口減少・少子高齢化・地域間格差などであるが、これらの課題は今後も九州の中では数少ない発展が見込める地域である鳥栖市においては非常に実感しにくいものである。
相対的に「日本創成会議」によって消滅可能性都市として指摘された近隣のみやき町や基山町は、その危機感を原動力に官民一体となった取り組みが闊達になっているように見受けられる。それらの周辺自治体にとっては喫緊に取り組むべき課題であり、ある種の生き残りをかけた戦いなのだろう。

確かに各自治体の持つ独自の魅力を活かし、自立自活を促す地方創生の姿には大きな可能性を感じるが、行き過ぎた地域間競争によって疲弊し、淘汰される自治体が今後出てくることも危惧される。
果たしてそれは我々JCが描く明るい豊かな社会の姿といえるのか。鳥栖JCの掲げる「まちづくりグランドビジョン2009」の基本理念である「自立の精神」と「共生の思想」を兼ね備えた運動を体現するために本年は鳥栖市に注力して運動を展開する所存である。

鳥栖においては九州における地理的優位性という地の利と先人たちが未来を見据え蒔いてくれた種のおかげで、地方創生におけるマイナスの課題ではなく、更なる先を見据えた運動を行なえる猶予があると捉え、自立自活した地域の創造にとどまらず、九州のかなめとして九州全体の発展に寄与できる地域や人の心をつなぐ共生の思想にあふれたまちを実現するための行動を興さねばならない。

まず、はじめに昨年第10回目を迎えた『九州まん祭』については、これを区切りとして本年度での開催を見送ることとする。

その理由は、10年間の積み重ねの中で本事業の一定の評価と地域での定着は図れたことは確かであろうと思うが、継続する中で手法がマンネリ化し、実行委員会形式で進めることの弊害などにより、開催当時の『九州まん祭』本来の目的達成のための運動としての深化が図れる未来は現在の形を継続する中では描けないと判断したからである。

ただし、昨年見直した定義文の概念については共感する部分も多く、形を変えながらも『九州まん祭』の理念は、今後の鳥栖JCとしてのまちづくり・ひとづくり運動の核として捉えていくべきであろうと考える。

これは言わば、九州の中核として九州全体の発展に寄与できる地域の創造を鳥栖JCの運動の本筋に据えることに他ならない。

地域を構成するのはひとである。
特に次代を担う人材の育成は先人よりこの地を受け継いだ責任世代である我々の責務である。
その意味では、昨年取り組んだわんぱく相撲に関連する一連の事業においては、大きな可能性を感じることができたのではないか。

これらの事業は、地域の宝である子供たちに日本人の伝統的価値観や美徳を養うひとづくり運動にとどまらず、その子供たちを地域の大人たちが密接に関わり合いながら教え育むコミュニティ構築のための運動としても活用することで初めて一つの完成形を迎えるといえる。

わんぱく相撲を通して共生の精神にあふれる地域コミュニティ構築を目指した運動へと昇華させよう。
また、昨年よりの選挙権の年齢引き下げもあいまって、特に中高生などの未成年であってもより早い段階での自立と責任を求められる場面が増えてくることが予想される。

我々には次代を担う彼らを、自らが住み暮らす地域を愛し、この地域を育んでいただいた九州を我がこととして捉え、国を背負い、国際的な感覚を兼ね備えた「九州人」とも言うべき人材へと導く責任がある。

まちづくりに対して高い参画意識を持ったこれらの若き人材と共に、未来のこの地域、ひいては九州のあり方を大いに語り合える環境を構築し、将来的にはUC(United Children)設立などの組織化も視野に入れた未来力あふれるひとづくり運動を展開しよう。

地方において人口減少、少子高齢化などのネガティブな要素を解消するためのまちづくりを行わなければならないLOMが多い中に、このまちは有り難いことに今後も一定の発展が見込める地域であることから、現状の打破ではなく明るい未来を見据えたまちづくりができる。
それは九州のかなめとしてのまちづくりである。

九州のかなめとしてのこの地域のあり方を考える中で55周年に発信された「まちづくり提言書2014」を力強く推し進める。特に本年は「連鎖のかなめ」「情熱のかなめ」の2項目について注力したい。
「連鎖のかなめ」においては、この地域の持つ九州における地理的優位性を最大限に活かし、九州の魅力をこの地に集結し、さらなる価値を高めて各地に発信するという『九州まん祭』にて取り組んできたことをあらためて検証し、九州全体の発展に寄与できる運動としての方向性を指し示し、鳥栖JCの運動として昇華させよう。

また、「情熱のかなめ」においては、この地域の持つ魅力のひとつであるスポーツの力を活用した運動に注力する。
この地には、「サガン鳥栖」とそのホームスタジアムである「ベストアメニティスタジアム」という誇れる宝があり、これらの魅力を今以上に市民が享受することが求められ、さらには、この地を訪れる人にその情熱を伝播する情熱の人へと意識を高めることが九州のかなめの人としての姿である。

また、これらの取り組みはサッカーのみならず、「久光製薬スプリングス」に代表されるバレーボールや2019年のラグビーW杯のキャンプ地誘致を見据えるなど、広義でのスポーツを地域に根付かせる運動へと昇華させることで、この地のポテンシャルを最大限に発揮し、他の地域に先んじたスポーツ文化にあふれる地域の創造を目指そう。

九州の交通の要衝として発展してきたこの地域が、九州全体の発展に寄与できる地域としてそのポテンシャルをいかんなく発揮するためには、クロスロード地域との連携は必要不可欠であり、県境を越えた一体的なまちづくりが求められる。

その思いは、クロスロード地域に存在する3LOM(鳥栖JC、久留米JC、みいJC)それぞれの地域においても同じであり、2004年度より3LOMの交流が始まった。

翌2005年には3LOM合同主管という形で九州地区大会を成功させ、地域の持つ魅力を九州内に発信した。
その後も、クロスロード地域のシンボルマークの作成やクロスロードJCカップの開催などを通して連携を行ってきたが、現在は当時の思いを酌むJCの先輩方を中心とする「わがまちクロスロード協議会」にその役目が移り、現役間の交流がおざなりになっていることは否めない。

本年は、久留米JC主管にて九州地区大会が開催される。
実に2005年以来のクロスロード地域での開催である。
この好機を逃すことなく、地区大会への積極的な参画により、今一度3LOM交流を密なものにし、九州におけるクロスロード地域の魅力を内外に共有する機会としよう。

青年会議所は若者の学び舎であると先輩諸氏に良く聞かされてきた。
特に専門的な知識がない者の集まりがJCであり、その中でまちづくりを行っていく以上、自分自身が成長すること、あるいは周りに影響を与えることのできる人材であることが必要であると考える。

今所属している会員においてもこの点は一人ひとり向き合ってもらわなければならない。
地域を変えるためには自分自身が成長し、変わることが必要であり、そのための機会を積極的につかみ取っていこうではないか。
それがスタートラインであり、会員としての最低限の資質である。
そして、これらの意識を高めるために、例会、総会や委員会、理事会などの場を本気で取り組む組織へと変革する。

日本古来より伝わる精神に「守・破・離」というものがある。
まず、原点となる基本に忠実に学び自らのものにする「守」、基本をベースとしながら自らの創意工夫を織り交ぜ発展させる「破」、最終的に自らのオリジナルを生み出し発揮する「離」からなる。この精神はJCにおいても当てはまることが多くあると感じる。

基本となる「守」にあたる例会・総会におけるセレモニーに注力し、JCプロトコルに厳格で気合のみなぎる本気のセレモニーを作り上げたい。
月に一度の例会を非日常の空間へと高めることが、自ずと会員の意識を高め意思の統一を図ることへと繋がると考える。また、委員会、理事会を「破」と捉え、JCの理念をベースとしながらもそれぞれの創意工夫を活かした闊達な意見を飛び交う会議運営に心がける。

今の組織において会議の質の低下はそのまま組織としての質の低下を生んでいる。
会議所を名乗るのであれば、今一度、会議の重要性に目を向け、改善していこう。
そして、JCで学んだことを活かしながら、それぞれのメンバーが積極的に地域内で独自の考えのもとに、能力を発揮することを「離」と捉え、組織としてそのような人材のサポートをし、地域リーダーとして積極的に行動できる人材であふれる組織へと変革する。

そして、これらの下支えとして、会員の資質向上に注力した例会事業を積極的に行い、会員に多くの学びと気付きを与え、例会に参加することが必ず自身の資質を高めることにつながるという意識を植え付ける機会とすることを約束する。

現状は入会3年未満の会員が大半の組織である。
今一度、原点を見つめなおし、全員がアカデミー生であるというくらいの覚悟で修練しようではないか。

拡大はJC運動の根本である。JCが市民意識変革団体であるのなら、最良の手法はJCの理念に共感いただける市民を会員として組織に迎え入れることである。
全国的にJCの会員減少が続く中、鳥栖JCも会員減少の歯止めがきかず将来の存続に向けて危機的状況に突入したといえる。

会員減少の原因と課題をしっかりと洗い出し、効果的な拡大手法の確立と入会浅い会員へのフォローアップをふたつの柱として、拡大と定着率の向上に努めなければならない。
拡大を成功させるためには、まずは、現会員の意識の変革が必要である。
拡大がJC運動の根本であるというように拡大に向けて市民にJCに対する共感を与えるためには、会員自らがJCの持つ魅力を実感し、それを伝えることができることが求められる。

そのためには、会員自らのJC内での成功体験や達成感を感じる機会を通して自信をもって市民にJCの魅力を伝播できるJAYCEEとしての成長を促したい。
そこで、運動に専念し、目的達成に向けて一心に行動する期間とその達成感を原動力に更なる成長を遂げた会員とともに拡大に注力する期間をしっかりとすみ分ける一年としたい。

また、定着率の低さは鳥栖JCにとって早急に解決すべき大きな課題である。
会員の入会年齢の晩年化により、在籍年数が相対的に短くなり、入会浅い会員に対しても早いサイクルの中でJCを理解し、即戦力としての活躍が求められる現状は、そのサイクルから少しでも遅れたものは淘汰され、または自ら組織と距離を置いてしまうような環境を生みやすい。

また、若い会員においても会員数の減少により、早い段階で責任ある役職を歴任することによる疲弊も見て取れる。しかし、このサイクルを現状と受け止め、短い期間の中で効果的にJAYCEEとしての成長を促すアカデミー研修の確立と各会員に対してきめの細やかなフォローアップの体制構築を行うことが必要である。

今後の組織運営を考えるときに提案したい2つの受け皿がある。

1つは、賛助会員の拡大である。これまで同様の賛助会員、賛助企業の拡大はもちろんのこと、JCの理念には賛同するがJAYCEEとして共に活動はできないと去っていったかつての仲間たちやJCに興味があるが入会までには至らない青年たちを受け入れる受け皿として金銭的ではなく事業等においての人的支援を行なっていただく賛助会員のあり方である。
サッカーで言えばサポーターのようなJCの運動に共感いただける市民を増やすことは、JCの抱える広報や発信の不味さを解消する一助になることであろうし、この人的賛助をいただく中でJCへの更なる理解が進めば会員へと迎え入れることもできるであろう。

2つめには、まちづくりで述べた次世代を担う人材の育成である。我々が次世代の人材と積極的に交流する中で、JCの魅力に共感いただければ自ずと将来の拡大に繋がることであろう。

この時間軸でいうところの縦と横の2つの受け皿が将来の鳥栖JCを支えることを期待する。

我々の活動エリアは日本中のJCを見ても恵まれたエリアといえるであろう。
それはある意味、JCがなくても困らないということと同義なのかもしれない。
地方創生の時代、疲弊した地方自治体は人口減少や地域間格差の荒波の中で目の前の問題に精一杯である。そのような中だからJCがもてはやされることもあるだろう。

しかし、我々JCは本来、今をみて運動をするのではない。
次世代に誇れる地域の創造を実現させるために未来を見据えて行動しなければならない。
今を生きる人々に必要とされなくとも、我々は声高に理想を語り続ける組織であり続けよう。
変わることを恐れるな。我々は、変えるべきものとそうでないものを見極める「英知」を、変えるために一歩を踏み出す「勇気」を、最後まで成し遂げる「情熱」を兼ね備えた人材ではないか。
今を変えるのは我々の使命だ。すべてはこの地の未来を生きる人々のために。

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